失敗しない!賃貸オフィスの物件資料・図面の重要ポイント完全解説

ハマタロウ博士1号

賃貸オフィスを探す際に欠かせない「物件資料」や「募集図面」。しかし、初めて目にする人や慣れていない人にとっては、情報が多すぎて「どこを見ればいいの?」と戸惑うことが多いのではないでしょうか。
「賃料は妥当なのか?」「この面積は広いの?」「図面の記号や数字が理解できない…」など、疑問や不安を抱えている方も少なくありません。この記事では、「失敗しない!」賃貸オフィス選びのために、物件資料や図面の重要なポイントを一つずつ解説していきます。この記事を読めば、資料の見方がクリアになり、自分に最適なオフィスを選ぶための力がつくはずです。

物件資料の基本構成と読み方

賃貸オフィスの物件資料には、オフィス選びに必要な情報がすべて詰まっています。しかし、専門用語や数字が多いため、どこを見ればいいのかわからないという方も多いでしょう。ここでは、物件資料の基本構成と読み方を解説し、不動産用語についてもわかりやすく説明します。

物件資料見本

賃料

物件を借りるために毎月支払う「家賃」のことです。賃料はオフィス選びで最も重要な項目のひとつです。

:「賃料20万円/月」と記載されている場合、毎月20万円を貸主に支払う必要があります。

ポイント!
  • 税込み表示か、税抜き表示かを確認する(オフィス賃料は税別の場合が多い)
  • 共益費や管理費が別途必要かどうかもチェック!

共益費・管理費

賃貸オフィスの共用部分(エントランス、トイレ、廊下、エレベーターなど)の維持管理に使われる費用です。賃料とは別に毎月支払います。

:「共益費3万円/月」なら、賃料20万円とは別に3万円が必要です。

ポイント!
  • 共益費が賃料に含まれている場合もあるので、必ず確認しましょう
  • 共益費が高い場合は、その理由(設備が充実している、清掃負担がないなど)を把握しておくと安心です

敷金・保証金

物件を借りる際に貸主に預けるお金です。敷金は退去時に原状回復費(部屋を元に戻す費用)を引いた金額が返還されます。オフィス物件では「保証金」と表記されることが一般的です。

:「保証金6ヶ月分」と記載されている場合、賃料が20万円なら20万円×6ヶ月=120万円が契約時に必要です。

ポイント!
  • 敷金(保証金)の金額は物件によって異なる(3ヶ月〜12ヶ月分が一般的)
  • 敷金から差し引かれる「償却費」についても要チェック!

礼金

貸主に対してお礼として支払うお金です。礼金は返還されません。オフィス物件では礼金が設定されていない場合もありますが、確認は必要です。礼金ゼロの物件は、初期費用を抑えられるので狙い目といえるでしょう。

面積

物件の広さを表す項目です。オフィス物件の場合、「坪」がよく使われます。1坪は約3.3㎡(平方メートル)です。

:「30坪」と書かれている場合、30坪×3.3㎡=99㎡が部屋の広さです。

ポイント!
  • 実際の使用可能面積(貸室面積)か、共用部分も含めた面積かは物件によって違うのでしっかりと確認する
  • 従業員1人あたり約2〜3坪が快適な広さの目安と言われています

契約形態と期間・更新料

賃貸オフィスを契約する際、契約期間や更新料に関する確認は非常に重要です。また、「契約形態」も賃貸借契約の重要な要素となります。

オフィスの賃貸借契約には、主に「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。それぞれの特徴を理解しておくことが、後のトラブルを避けるために役立ちます。

普通借家契約

最も一般的な契約形態です。この契約形態は、基本的に自動更新となります。更新の際には双方の合意が必要であり、賃料の改定や契約条件の変更が行われることがあります。

  • 契約期間満了後も契約の更新が可能
  • 更新料が発生する場合あり(一般的には賃料の1ヶ月分)
  • 長期的な利用を前提としている企業に適している
定期借家契約

定期借家契約は、契約期間が終了すると契約が終了する契約です。更新は基本的にできません。契約期間終了後に再契約するには、新たに契約を結び直す必要があります。

  • 契約期間終了後、契約更新はできない
  • 定期的に契約内容を見直したい場合や、短期間で利用する場合に適している
  • 契約終了の際に明確に終了日が決まっており、計画的な契約が可能
  • 再契約を行う場合は新たに契約内容が設定され、再契約料や契約手数料が発生する可能性がある

契約期間や更新料、契約形態をしっかり確認し、自分のビジネスに最適な契約を選ぶことが大切です。特に普通借家契約定期借家契約では、契約後の運用方法が大きく異なるため、慎重に検討しましょう。更新料や再契約料が発生する可能性も含め、契約前に契約書類をよく確認することをお勧めします。

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募集図面・物件資料の見方と重要チェック項目

賃貸オフィスの募集図面には、物件の具体的なレイアウトや広さ、設備が図式化されています。しかし、「図面に書かれている記号や数字がわからない」「どこを見ればいいの?」と悩む方も少なくありません。ここでは、物件資料の見方と、オフィス選びに必要な重要チェック項目を解説します。

物件資料見本

1. 図面の基本情報を確認

募集図面には、必ず「物件概要」として物件の基本情報が記載されています。

確認すべき基本情報

  • 物件名・所在地:どのオフィスビルかを特定
  • 最寄り駅:駅からの距離・利用できる路線を確認
  • 賃料・共益費:費用面を確認(初期費用にもかかる保証金・礼金も要チェック)
  • 面積:広さ(坪数や㎡)の確認(執務スペースと共用スペースの面積もチェック)
  • 用途:事務所用か確認(店舗・住居兼用の場合もあるため要チェック)
  • 築年数:建物の経年状態(新耐震基準か旧耐震基準かも要チェック)

2. 図面上の記号や表記の意味を理解する

募集図面には、オフィスの平面図やレイアウトが描かれていますが、記号や表記には意味があります。

主な記号と表記

  • 「㎡」「坪」:面積を表す単位。1坪=約3.3㎡です。
  • 「EV」:エレベーターの位置。搭乗人数も併せて確認しましょう。
  • 「WC」:トイレの位置。オフィス専用か共用かも確認しましょう。
  • 「PS」:パイプスペース。水回りの設備が集中している場所です。
  • 「EPS」:エレクトリックパイプスペース。電気の配線や配管を通す場所です。
ポイント!

図面上の「EV(エレベーター)」「WC(トイレ)」などは、オフィスの動線や使いやすさに影響します。動線が不便だと働きづらい環境になりがちです。

3. レイアウトと動線をチェック!

図面から読み取るべき重要なポイントは、オフィス内のレイアウト動線です。

  • レイアウト:オフィス内の柱の位置や形状を確認します。柱が多いと、デスクや会議室を配置しにくくなることがあります。
  • 動線:エントランスから執務室、会議室、トイレへの移動がスムーズかどうかを図面上でイメージしましょう。
ポイント!

動線が整っているオフィスは、効率的な働き方につながります。図面上で「入口」から「執務室」や「トイレ」への移動経路を確認しておきましょう。

4. 天井高と間取りの確認

オフィスの快適さを左右するのが「天井高」「間取り」「床仕様」です。

  • 天井高:天井までの高さです。標準的なオフィスの天井高は2.4m〜2.6mです。それより低いと圧迫感があり、高いと開放感があります。
  • 間取り:会議室や応接スペース、休憩スペースなどが確保できるかどうかも確認ポイントです。
  • 床仕様:OAフロア(フリーアクセスフロア)、タイルカーペット、長尺シート、フローリング、ビニールタイル(塩ビタイル)、コンクリート仕上げなどがあります。
    特に主流となっているのはOAフロアで、電気配線や電話線、LANケーブルなどの配線等が自由にできるように二重構造にした床のことを指します。
ポイント!

「床仕様」や「天井高」など、仕様については図面の備考欄に記載されていることが多いので見逃さないようにしましょう。

OAフロアの二重床構造床。この下に電話線やLANケーブルを通し、上にタイルカーペットを貼ります。

5. 窓の位置と方角を確認

図面上に描かれている窓の位置や方角も重要です。
特に窓の位置は社員の働きやすさに影響します。自然光が入りやすいオフィスは、明るく快適な職場環境をつくれます。

  • 窓の位置:自然光が入る場所を確認し、快適なオフィス環境をイメージします。
  • 方角:「南向き」「東向き」などの方角がわかる場合、日当たりの状況が予測できます。

このように、募集図面はオフィスのレイアウトや使い勝手を確認する重要な資料です。「記号や表記の意味」をしっかり理解し、「動線」「天井高」「窓の位置」などを意識して図面を見ることで、快適で効率的なオフィス選びが可能になります。

失敗しないためのチェックポイント

賃貸オフィスを選ぶ際には、物件資料や図面だけでなく、実際に現地を確認することが大切です。ここでは、失敗しないための具体的なチェックポイントを解説します。

1. 図面と現地のギャップを確認

物件資料や図面だけではわからない点も多くあります。必ず現地を訪れ、室内を確認し、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 広さの実感:面積が数字で書かれていても、実際に見てみると狭く感じることがあります。
  • 天井高:実際に体感してみて圧迫感がないかを確認しましょう。また、梁などがある貸室は、記載の天井高より低くなる場所がある可能性があります。
  • 柱や梁の位置:デスクや家具の配置に影響する柱や梁がないか、現地で確認が必要です。
ポイント!

現況が図面と一致しているか必ずチェック!想像していた広さやレイアウトと異なる場合は再検討しましょう。

2. 設備やインフラをチェック

オフィスの設備やインフラは、業務効率に直結します。特に以下の点は重点的に確認しましょう。

  • OAフロア:床下に配線が可能かどうか。IT環境が重要なオフィスには欠かせません。
  • 空調設備:エアコンの有無や管理方法(共用か専用か)を確認しましょう。
  • インターネット環境:高速回線が利用可能かどうか、工事の必要性も要チェックです。
  • トイレ・給湯室:清潔さや使いやすさ、共用か専用か確認します。

3. アクセスと周辺環境

従業員の通勤や取引先の訪問なども関わってくるアクセスと周辺環境も、オフィス選びでは重要なポイントです。

  • 交通アクセス:最寄駅までの距離や、徒歩での所要時間。
  • 周辺施設:飲食店やコンビニ、銀行など、業務に必要な施設が揃っているか確認。
  • 治安の良さ:昼間だけではなく夜間の安全性も意識しましょう。
ポイント!

アクセスが悪いオフィスは従業員の通勤にストレスを与え、採用や定着率にも影響します。

4. 見落としがちな点に注意!

オフィス選びで後悔しないために、以下の見落としがちな点にも注意しましょう。

  • 騒音:近隣に工事現場や繁華街があると騒音のリスクがあります。
  • セキュリティ:機械警備(セコムやアルソックなど)が導入されているか、
    警備員が常駐しているか、セキュリティ対策がしっかりしているか確認しましょう。
  • 駐車場の有無:社員や来客のための駐車スペースが必要かどうかを考えましょう。

これらのチェックポイントを押さえながら物件を選べば、オフィス選びで大きな失敗を防ぐことができます。図面や資料だけに頼らず、現地と周辺環境の確認を徹底することが成功の秘訣です

まとめ

賃貸オフィスを選ぶ際には、「物件資料」「募集図面」「現地確認」の3つをしっかりと活用することが重要です。

物件選びは慎重に!

オフィスは、従業員の働きやすさや会社の成長に大きく影響する重要な場所です。物件資料や募集図面をしっかりと理解し、現地での確認を怠らないことで、理想のオフィスを見つけることができます。

  • 物件資料では、賃料や共益費、敷金、面積などの基本情報を確認し、費用面を把握する。
  • 募集図面では、レイアウトや動線、天井高、設備の配置を読み取り、働きやすい環境をイメージする。
  • 現地確認・貸室内見では、図面とのギャップや設備、アクセス、周辺環境をしっかりとチェックする。

この3つのステップを実践すれば、失敗することなく理想のオフィスを見つけられるでしょう。

 
 

物件資料の見方はわかったけど、結局どの物件がうちの会社に合うのかわからないよ…

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