【失敗しない内覧チェックポイント】居抜きオフィスを選ぶ前に見るべき5つのポイント

居抜きオフィスとは、前の入居企業が使用していた内装や設備(パーテーション、会議室、什器など)をそのまま引き継げる物件のことです。ゼロから内装工事をする必要がないため、工事費や入居までの時間が大幅に削減でき、特にスピーディーに移転したい企業に人気です。
しかし「既存内装付き=お得」とは限りません。「そのまま使えるから」と安易に選ぶと、入居後にレイアウトの不一致や追加工事の発生など、思わぬ落とし穴に遭遇することも。居抜きオフィスは、後からコスト・使い勝手・原状回復などでトラブルになることも多く、内覧時の見極め力が成功の鍵となります。
ここでは、失敗しないための「プロ目線で押さえておきたい内覧時のチェックポイント」を5つご紹介します。

内装の状態・仕様とレイアウトの適合性
綺麗かどうかだけではなく、自社でどう使えるかの視点が重要!
◎会議室・執務室の広さと分割のしやすさ
会議室・執務室のサイズは適正か?社員数に対して狭すぎないか?
将来的な人員増加や部署編成変更も想定して、可変性のあるレイアウトかどうかを確認しましょう。固定壁が多い場合、再構成が困難になることもあるため、注意が必要です。
◎内装の質感とブランドイメージの一致
内装のグレード感(床材・天井・壁面)と自社のイメージはマッチしているか?
たとえば「木目調で温かみのある空間」か「ガラス張りでスタイリッシュな雰囲気」かで、来客時の印象も変わります。自社のブランディングに適した内装か?という視点を。
◎什器や備品の再利用可否
既存のデスク・椅子などが残っている場合、自社の働き方(固定席・フリーアドレス)に合うかどうかも確認しましょう。また、来客対応が多い企業では、受付カウンターや応接セットの有無・配置場所も重要です。エントランスからの導線が整理されているか、受付スペースが確保できるかを現地でチェックしましょう。
応接セットが備え付けられている場合でも、自社のブランディングや来客数に対して十分かどうかもポイントとなります。
特に注意したいのが天井の構造(ジプトーン天井など)や照明の配置です。リニューアルの自由度が限られる内装も多く「一部変えようとしたら全体改修が必要になった」というケースもあります。

ジプトーン天井
ジプトーン天井とは、病院や学校、会社などでよく目にする天井のことです。不規則な穴の開いたトラバーチン模様が特徴的な化粧石膏ボードを指します。
空調・電気・ネット環境などインフラの再整備有無
そのまま使えると思いきや、実は再整備が必要な設備が多いのが居抜き物件
◎空調の制御単位と稼働可能時間
セントラル空調方式か?個別空調方式か?自社の稼働時間に対応できる?
1フロア全体で一括制御(セントラル空調)なのか、部屋ごとに温度調節できる(個別空調)のかで、快適さとランニングコストが大きく変わります。休日・深夜稼働の可否も要チェックです。
◎電源・コンセントの配置と数
ブレーカー容量は自社業務に足りているか?サーバーを置く場合は要注意!
「足りないけど床を剥がして増設できない」となると、タコ足配線になって危険です。社員1人あたりの電源タップ数も目安になります。
◎ネット回線のスピードと種類(光ファイバー/VDSL)
既設を流用できる?増設工事が必要?
「見た目はきれいでもネットが遅くて業務に支障が出る」ケースが意外と多いです。可能なら事前に回線スピードテストを依頼しましょう。
オフィスビルの多くは容量に上限があるため、事前に使用想定電力を確認するのがベストです。配線が埋め込み型でやり直しが難しいケースもあるので、確認が必要です。

原状回復・残置物・造作譲渡の取り決め確認
居抜き物件最大の落とし穴が「原状回復トラブル」です
◎造作譲渡契約の有無・金額・条件
電話配線や空調のダクトなど、設備の扱いも契約書に明記されているか?
たとえば「前テナントが200万円で造作譲渡したものを、無償で引き継げる」といった場合もありますが、引き継ぐ=修繕責任も持つという理解が必要です。
◎残置物の取り扱いの明確化
内装・什器は残置物扱い?譲渡契約?万が一撤去命令が出たら誰の負担?
配線・空調・ブラインド・什器など、「そのまま使っていい」とされていても、契約書に無償譲渡と書かれていなければ、トラブルの元になります。
◎退去時の原状回復ラインの確認
退去時にはどの範囲まで原状回復が必要か?
「入居時の状態まで戻す」が原則ですが、「契約時の取り決め」や「ビル管理側の判断」によって要件が違うことも。ビル指定の原状回復工事業者が高額だったという事例もあるので要注意。
原状回復の「範囲が曖昧」だと、いざ退去時に数百万円単位の追加請求が発生することも。造作譲渡契約書の有無は、必ず確認しましょう。

ビルの共用部・管理状況・オーナー対応
長期的に快適に使えるかを見極めるには、ビル全体のチェックも欠かせません
◎トイレの清掃頻度と状態
トイレ・給湯室は清潔に保たれているか?
社員満足度や採用への影響も大きいため、男女別かどうか、個室数なども確認しましょう。水回りが共用部にある場合は、オーナー側で清掃をしてもらえるのか、頻度や費用面も併せて確認しておくとよいでしょう。
◎ゴミ出し・什器廃棄ルール
ビルごとに“ゴミの出せる曜日・時間・種類”が厳密に決められている場合も。大量の廃棄物が出るプロジェクトに対応できるか?を見ておくのが吉です。
◎オーナー・管理会社の柔軟性や対応スピード
オーナーや管理会社の対応力はどうか?(実績・レスポンスの速さ・柔軟性など)
内覧時の質問対応や、入居までの段取りで反応の早さや姿勢を見ると、入居後の安心感に直結します。
特にオーナーの柔軟さは、入居工事や社名サイン・看板設置の自由度にも影響します。「いい内装なのに使い勝手が悪い」物件はこの点に起因することが多いです。

周辺環境・立地条件・リスク情報
駅チカだけでは不十分!働く人にとって快適な環境かもチェックしましょう
◎駅からの「実際のアクセス感」
最寄駅からの実歩行距離とルートの安全性(坂・階段・夜道など)
所要時間だけでなく、「信号の多さ」「雨の日の導線」「段差や坂道の有無」などを確認。ヒールで歩けるか?という観点も意外に大切です。
◎近隣の店舗や利便施設の充実度
コンビニ・ランチスポット・銀行・郵便局・薬局など、日々のちょっとした利便性が働きやすさを左右します。保育園、ジム、クリニックなど、社員の多様な働き方を支える施設が徒歩圏にあることで、社員のQOL(生活の質)が高まり、離職防止や採用にも良い影響があります。
◎ハザードマップ上の立地やBCP対策
「浸水エリア」や「地盤の緩さ」がリスクになることも。近年では、災害時にアクセスできるかや事業継続の可能性を重視する企業も増えています。

まとめ
内覧は「借りる」ではなく「使い続ける」目線で!
居抜きオフィスは、うまく選べばコストパフォーマンス抜群のオフィス移転を実現できます。しかし、初期費用が安いというだけで決めてしまうと、後々の追加費用・不便・契約トラブルに発展する可能性も。
だからこそ、内覧の段階で「見落とさないプロの目線」が重要です。
「もったいないオフィス居抜き移転.com」では、内覧の調整・契約内容の確認・造作譲渡交渉・原状回復のアドバイスなど、経験豊富なオフィス仲介のプロがサポートします。「内装がそのまま使えるか不安」「原状回復の条件が読めない」…そんな方も、まずはお気軽にご相談ください。

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